東京都8つの緊急政策 ⑧保育所・特養の増設 介護・保育職の処遇大幅改善
待機児童・待機高齢者をなくすため、施設建設と人員を増やすことが必要。全産業平均並みの給与を介護・保育職に保障。
東京都内の待機児童数が、2019年と比べて1,300人減り、およそ2,300人となったと速報値が報じられるなど、都内の待機児童数は大幅に減ってきてはいるものの、4月1日時点の速報値でまだ約2300人います。
待機児童と言っても、公表されている「待機児童」の数は氷山の一角で、認可保育所に入所できなかったにもかかわらず待機児童としてカウントされない「隠れ待機児童」(2019年で都内で18000人と言われる)を加えれば解決したとはとても言えない状態です。
また待機児童問題の理由の一つは、保育士不足。月給が全産業平均より約10万円低いなど、保育現場での長時間労働、低賃金によってそこで働く人々が余裕をなくしてしまう結果、使い潰されるような労働環境になっていることにあります。保育士の皆さんの社会的地位の向上に加えて、給与水準を国家公務員の正規の職員なみの水準に引き上げるべきです。
また、社会問題化している中高年の引きこもりを高齢の親が支える「8050問題」の解決と介護人材不足については、東京都で昨年制定された「ソーシャルファーム(社会的事業所)条例」を見直し活用します。
ヘルパー自身の4割が高齢者であると同時に、今後介護職員が不足すると予測されています。都福祉保健局によると、2025年には約3 万6 千人の介護職員が不足し、この需給ギャップを埋めるためには、毎年約2,800 人の介護職員の新たな掘り起しが必要です。
介護人材不足の解消と、社会的に孤立した人の就労促進を同時に解決するために、障害に限らず、様々な社会的不利を抱えている人(ひきこもり、シングルマザーなど)を半数以上雇う「社会的事業所」をつくり、都が支援します。ヘルパー資格、介護福祉士等の資格取得を促し、その後も介護人材として継続的に活躍できるように個人への支援も行います。保育士同様に給与が低すぎる場合には財政支援を行います。
また、東京都の高齢化率は2030年には、24.3%(約4人に1人)と予想されています。2040年には全国で、団塊ジュニアと就職氷河期世代の一部が高齢者(65歳以上)になり、65歳が4000万人を超える時代を迎えます。世帯の単身化が進み、介護・孤立化問題が深刻化すると同時に、高齢者が一人で暮らすことが当たり前になります。
高齢者の孤独死を防ぐために、前提として大家さんや居住者の協力を得ながらIT技術を活用した「高齢者見守りシステム」を構築し、エリアごとの緊急連絡システムを構築します。このシステムにより、平時には高齢独居老人の孤独死を防ぎ、災害時には居場所を特定し、救助をスムーズにする仕組みを作ります。